ierib × Devachan POPUP Day1 いざ、韓国へ
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韓国POPUP、いざソウルへ。
普段、京都のieribのアトリエで仕事をしている私ですが、今回は少し珍しい話です。
きっかけは、韓国・ソウルのセレクトショップ「Devachan」のメンバーが京都のアトリエまで来てくれたこと。
そこでieribのアイテムを実際に見てもらい、「韓国でPOPUPをやってみないか」と声をかけてもらいました。

韓国での展開は、ieribにとってほぼ未知の領域。
日本ではありがたいことに、少しずつieribを知ってくれている人も増えてきましたが、韓国のファッションシーンについては私自身ほとんど知らない。
だったら、実際に行って、自分の目で見てみるしかない。
ということで、話をいただいてから約1ヶ月。

「いや、準備期間短くない?」
と思いながら、商品を選び、韓国へ送る荷物をまとめ、なんとか出発の日を迎えました。
今回のPOPUPではバッグを中心に、レザーウェア、シューズ、ウォレットなどを持っていくことに。
韓国の方達がieribをどう見るのかそもそもieribが韓国でどう受け取られるのか。
そのあたりも、今回実際に行ってみたかった理由のひとつです。

関空から仁川へ
朝10時頃のフライトだったので、京都から関西空港へ。
今回はLCCだったので、関空の第2ターミナルへ向かいます。
第2ターミナルって、普段あまり使わないので毎回ちょっとだけ「こっちで合ってるよな?」という気持ちになります。
しかも今回は、まあまあギリギリ。
チェックインを済ませて、荷物を預けて、保安検査を抜けて……と、いつものように余裕のないスタートです。
こういう時に改めて思うのが、日本のパスポートって本当に便利なんですよね。
韓国への短期旅行であればビザの手続きをする必要もなく、航空券を取って、パスポートを持って空港へ行けば、とりあえず飛べる。
海外に行くと、この「国境を越えることの簡単さ」が国によって全然違うんだな、と実感します。
そんなことを考えながら飛行機へ。
関空から仁川までは約2時間。
仕事をしていたら、思っていたよりあっという間に到着しました。

仁川空港、広すぎ問題
仁川空港に着いて最初に思ったのは、
「広っ。」
でした。

しかも今回はターミナルを移動する必要があり、空港内の地下鉄のような交通機関に乗って移動。
空港の中を普通に電車で移動するというだけで、海外に来た感があります。
そして京都から来た身としては、韓国の空気が思っていたよりカラッとしていたのも印象的でした。
もちろん暑いんですが、京都の夏のような、まとわりつく湿気とは少し違う。
同じ東アジアでも、少し場所が変わるだけで空気の感じ方が変わるのが面白いです。

17,000ウォンのバスに乗る
仁川空港からソウル市内までは空港バスを利用しました。
料金は一人17,000ウォン。
旅行中はざっくり、
ウォンを10分の1にして、さらに1.2倍くらい。
と考えていました。
なので17,000ウォンなら、日本円で約2,040円くらい。
ウォンは桁が大きいので、最初は「17,000……高いのか安いのか分からん」となります。
日本円の感覚で考えるとややこしいですが、韓国では1,000ウォン札、5,000ウォン札、10,000ウォン札などが普通に使われるので、慣れるまでは財布の中が全部「ゼロ多い紙幣」に見えます。
そしてここで早速、小さな事件が起きました。
バスのカウンターで、
「How many?」
と聞かれたので、
「Two.」
と答える。
すると、どう見てもチケットが1枚しかない。
「あれ?」
と思いながらバス乗り場へ行くと、乗車するときにスタッフから、
「Ticket! Ticket!」
と。
そこでようやく、
「あ、これ1人分や。」
と気づきました。
結局もう一人分は現金で支払い。
海外に来て最初のミスが、英語でも韓国語でもなく、単純なチケットの買い間違い。
まあ、旅なんてこんなものです。

英語が通じるとは限らない
そして今回の韓国旅行で何度も感じたのが、「英語が共通言語としてどこでも通じるわけではない」ということ。
空港やホテルなどではもちろん英語が通じる場面も多いのですが、街のローカルな店に入ると、急に難易度が上がります。
今回もボディランゲージを使いながらなんとかやり取りしました。
でも、よく考えてみると当たり前なんですよね。
日本の地方の食堂に外国人が入ってきて、突然英語で話しかけられたとしても、私自身が完璧に対応できるわけではない。
「英語が通じない」というより、
その人の普段の生活圏に、たまたま外国人が入ってきた。
ただそれだけなんだと思います。
むしろ今回面白かったのは、韓国の人には意外と日本語が伝わる場面が多かったこと。
日本語を話せる人もいれば、こちらが日本語で話してもなんとなく意味を汲み取ってくれる人もいる。
韓国語と日本語は文法の構造がかなり似ているので、単語が分からなくても文の組み立て方から意味を推測しやすいと言われています。
もちろん全員が日本語を理解できるわけではないですが、英語とはまた違う「近さ」がある。
今回の旅では、これが結構面白い発見でした。
言葉が通じる、通じないというより、「隣の国なのに、こんなに似ている部分があるんだ」という感覚です。

バスの窓から見える韓国
ソウルへ向かうバスの車窓から街を眺めていると、まず目につくのが車。
日本車が少ない。
というより、ほとんど見ない。
HyundaiやKiaを中心に、BMW、Mercedes-Benzなどがかなり多い印象でした。
韓国ではHyundaiとKiaが国内の自動車市場で非常に大きな存在感を持っているので、日本でいう「街を走っている車を見るとメーカーの勢力図がなんとなく分かる」という感覚が、韓国ではまた違って見えます。
そしてもうひとつ印象的だったのが、街の高低差。
ソウルは意外と坂が多い。
というのも、ソウルは周辺に山が多く、都市そのものが平坦な土地だけに広がっているわけではありません。
大都会というと、東京のようにどこまでも平らなビル街を想像していたので、ビルの隙間から山が見えたり、突然坂道になったりする景色が新鮮でした。
「大都会なのに、地形がちゃんとある。」
この感じ、個人的には結構好きです。

Google Map、なんか違う。
ソウル市内に入り、バスを降りてGoogle Mapsを開きます。
目的地の場所自体は出てくる。
でも、
「で、どうやって行くん?」
という状態。
韓国ではGoogle Mapsも使えますが、道路事情や地図データの制約もあって、日本のように徒歩ルートまで含めてスムーズに案内してくれる感覚とは少し違います。
韓国ではNaver MapやKakao Mapが広く使われていて、旅行者でもどちらかを入れておくとかなり安心。
日本ではGoogle Maps一択に近い感覚だったので、これも「国が変わると当たり前が変わるんだな」と思ったポイントでした。
仕方がないので、目的地の方向だけ確認して、スーツケースを引きながら歩きます。
暑い。
普通に暑い。

ソウルの街を歩いてみる
今回のPOPUP会場は、Sinsa-dong、いわゆるカロスキル周辺。
Apple Storeの目の前という、かなり分かりやすい場所でした。
歩いていると、とにかく目につくのがカフェやショップ。
外観から内装、商品、パッケージまで、「写真を撮られること」をかなり意識している店が多い。
日本でももちろんそういう店はありますが、ソウルではそれが街の景色そのものになっている感じがしました。
韓国のファッションや美容、カフェなどを見ていると、SNSとの距離がかなり近い。
「商品を買う」だけではなく、
「ここに行った」
「これを着た」
「これを食べた」
という体験そのものがコンテンツになっていて、それが次の人を呼んでいく。
韓国のトレンドの移り変わりが早いと言われるのも、単純に韓国人が流行好きだから、という話ではなく、こうしたSNS、商業施設、ブランド、カフェなどが密接につながっていることも大きいんだろうなと思います。

でも僕は「汚トラン」を探したい
そんな洗練された街を歩いていると、だんだん別のものが食べたくなってきました。
おしゃれなカフェもいい。
きれいなレストランもいい。
でも海外に来たら、僕はどうしても、
「現地の人しか行かなそうな店」
に入りたくなる。

勝手に「汚トラン」と呼んでいるやつです。
そして見つけました。
ガラスや入口には謎のステッカーやポスター。
店内には中年くらいのスタッフが二人いて、スマホをいじっている。
お客さんは、いない。
最高です。
英語は当然のように通じない。
Google翻訳を使って、看板に書いてある冷麺を注文。
出てきた冷麺を食べる。
うん。
「そうそう、これこれ。」
こういうのでいいんだよ。
観光客向けにきれいに整えられた韓国ではなく、普通にその街で生活している人たちの食事に少しだけ混ざれた感じがして、個人的にはこういう時間のほうが旅をしている実感があります。

POPUPで見えた「韓国と日本の違い」
そして、いよいよPOPUPへ。
ここからが今回の韓国行きの本番です。
実際に韓国のお客さんがieribの商品を手に取っている姿を見ると、やっぱり面白い。
服の着方も、シルエットの作り方も、日本で見るものとは少し違って見える。
同じ服でも、合わせるパンツ、靴、髪型、体型、姿勢が変われば、当然ながら全体の印象も変わる。
だから「韓国人はこういう服装」という単純な話ではなくて、その街の空気や流行、スタイリングの文脈によって、同じ服が別のものに見えるんだなと感じました。
ieribのように、素材や経年変化、手仕事そのものを価値としているブランドが、トレンドの動きが速い韓国の市場でどう受け取られるのか。
これは実際に商品を並べて、お客さんと話してみないと分からない。
日本で考えているだけでは、やっぱり分からないことがたくさんあります。

韓国の「一人前」は、一人前じゃない?
夜は会場近くの海鮮居酒屋へ。
生きたタコをそのまま食べるサンナクチや、刺身が乗った酸味のある冷たいスープにそうめんのような麺が入った料理など、日本ではあまり見ない料理が次々と出てきます。
そして、何より量が多い。
ここでも日本との違いを感じました。
韓国の食事では、一つの料理を一人で完結させるというより、テーブルを囲んで料理をシェアするスタイルがかなり一般的。
だからメニューを見て「これ一人分かな?」と思って頼むと、実際には複数人で食べる前提の量だったりする。
韓国料理でよく出てくるパンチャンと呼ばれる小皿のおかずも含めて、テーブルの上に料理がどんどん並び、みんなで少しずつ食べる。
この「食事をみんなで囲む」という文化が、料理の量や盛り付けにもそのまま表れているんだなと思いました。
日本の定食のように「これはあなたの皿、これは僕の皿」と分かれている感覚とは、ちょっと違う。
食文化って、その国の人間関係やコミュニケーションの取り方まで見えてくるので面白いです。
初日の時点で、すでにかなりお腹いっぱい。
でも、まだPOPUPは始まったばかり。
そして今回の韓国行きでは、POPUPだけではなく、現地のセレクトショップやヴィンテージショップ、レザーショップなども実際に見て回る予定でした。
「韓国でieribはどう見えるのか。」
「韓国の人たちは、何を見て服や物を買うのか。」
そして何より、
「韓国のファッションシーンって、実際どんな場所なんだ?」
この答えを探すのは、次の日から。
ソウルの街を歩いていると、想像していた韓国とは少し違う景色がどんどん見えてきました。
次回は、いよいよソウルの街をひたすら歩きます。