【ierib × 染屋 岡重】160年以上の時を紡ぐシャツ

【ierib × 染屋 岡重】160年以上の時を紡ぐシャツ

岡重の図案から生まれた三枚のシャツ

京都で160年以上続く染屋、岡重。
1855年創業。着物文化の中で図案と染色を生み出し続けてきた存在だ。

今回ieribでは、岡重が所蔵する図案と生地を用い、三枚のシャツを製作した。

単なる柄物ではない。
図案が生まれた時代、その背景にある文化ごと服に落とし込む試みだ。

それぞれの図案の奥には、
長い時間の蓄積がある。

その時間を、衣として纏う。


見えない場所に置かれた美

岡重の図案の多くは、羽織の裏地――
羽裏のために描かれたものだった。

羽裏とは、普段は見えない場所。
外からは決して見えない。

だが、かつての男たちは
そこにこそ遊びと美を忍ばせた。

見せびらかすためではない。
自分だけが知っている美。

見えないが、確かにそこにある。
それが粋だった。

岡重の図案は、まさにその文化の中で生まれている。


京都の染屋、岡重

岡重の始まりは1855年。
創設者、岡島卯三郎が染色加工を修めたことに端を発する。

その長男、二代目 岡島重助は
呉服の裏地の染色加工を専門に手掛け、
卓越した技術で京都の友禅業界に名を轟かせた。

戦争により事業は一時中断されるが、
戦後すぐに国の技術保存工場として再出発する。

三代目は第一回京都府産業功労者賞を受賞。

そして現在、四代目 岡島重雄は
友禅染めをより高い視点から捉え、
小紋や更紗柄の提案を中心に図案文化を更新し続けている。

呉服だけに留まらず、
ファッションアクセサリーなど様々な分野へ展開しながら、
その意匠は今も新しいかたちで息づいている。


羽裏からシャツへ

本来これらの図案は、
着物の内側に隠されていたものだ。

見せるためではなく、
自分のために忍ばせる美。

今回それを、シャツとして仕立てた。

見えない場所に置かれていた美を、
あえて 見える服 にする。

文化の居場所を、ほんの少しだけ動かす。

そんな再構築だ。


最後に

図案が生まれた時代。
それを描いた人。
そして今、それを纏う人。

一枚のシャツの中には、
いくつもの時間が重なっている。

岡重の図案から生まれた三枚のシャツ。

それは単なる柄ではない。

時間と文化の層を、
そのまま纏う服だ。

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